臨床心理士によるカウンセリングに行こう

「え?いきなり何を?」「私は精神病じゃないっ、失礼な。」と驚かれる方が多いかもしれません。

こんなエピソードがスタンフォード大学病院の滞在中にありました。

同僚達が「今日セラピストとの予約があるんだ。」という話をしている時があって、それに対し私は、「セラピストに会うって、身体のどこかに問題があるの?」と問いました。すると彼らはしばらくの沈黙の後、「違うよぉ(笑)、Physical therapistではなくて、Therapistだよ!」と返答してくれました。

しかし私はその2単語の意味の違いが分からずキョトンとしてフリーズし、沈黙の時間が流れました。すると、私のフリーズ状態に気付いた日本語と英語が話せるバイリンガルドクターが仲介に入ってくれました。「あぁあ!なるほど。日本語と英語の違いだね。」、と。

一体何が起こったのかと言うと、文化と言語の違いです。

特にアメリカ圏では、通常英語でいう「セラピストTherapist」は、心理カウンセリングを専門的に行い心の状態を良くする職種を指します。臨床心理士などの資格を持っている事が多いです。日常会話の中でも「My therapist say・・・」(私のセラピストが言うんだけど・・・)はよく聞くフレーズです。

一方日本国内での医療現場で、「セラピスト」と言うと理学療法士を意味しますよね。さらに、日本国内で「メンタル的なカウンセリングに行く。」と聞くと、ちょっと聞き慣れなれず馴染みがないかもしれません。「何か大きなご病気なのかな?」という心配にすらなります。

しかし、ここに大前提として大きな文化の違いがありました。特に欧米での権限を持つ重要な職種の方は定期的に歯医者や美容院に通い歯や毛髪をメインテナンスするように、臨床心理士(セラピスト)が行うカウンセリングに通います。定期的に心の整理を行っているという現状があります。

権限を持つ職とはつまり、病院で言うと院長や理事長、教授や各部署の部長職。一般企業では社長や取締役、理事などを意味します。

このような職種の人々は日々、精神的重圧がのしかかっており、「選択と決定」を繰り返す重大な任務を行っています。1つ1つの選択が組織を良い軌道に乗せるか、良くない状況に追い込んでしまうか、緊張の瞬間です。頭・身体が最高に良い状態でなければ、誤った判断に繋がるリスクがあり、非常に厳しい世界です。ちょっと疲れているだけでも、誤った選択をしてしまう可能性が随分高くなると、研究報告があるくらいです。精神状態は生活や仕事のクオリティに直結します。

「そんなん分かってるワイ、でも出来ひんのや。」という声が聞こえて来ます。

ちょっと想像してみて欲しいのですが、1週間毎日、寝不足状態が続いていて、毎朝疲れが完全に取れないままコーヒーで無理矢理に身体を叩き起こして出勤。帰宅は夜遅く、家に着いた途端バタンキュウだとします。就寝中に、屋外の騒音で起こされてしまうアクシデントがあったり、家族や恋人とのケンカが絶えなかったり、はたまた食事バランスが整っているとはとうてい言えないような、ラーメンやうどんなどの炭水化物をささっと済ます程度。

そんなボロボロ生活の1週間目に部下がすんごいケアレスミスをして、そのツケが自分に回って来たとします。そして、その尻拭いで今日も帰宅が遅くなると確定します。

あなたならそのケアレスミスの部下に、どのような対等が出来ますか?

たいていの人は、間違いなくキレますよね?

もしくは、不機嫌になりますよね。

このような場面であなたが最高に爽やかな笑顔でまった声色を変えることなく、「誰だってミスはあるさ。しょうがないね。なぜミスが発生したのか一緒にプロセスから見直してみよう。」と言えたら、スーパーボスです。

日本国内では未だに大人社会で、「他人に対して平気でキレる」という現象が多発していますよね?電車の中でさえ他人にぶつかっても、自分に非があるのに半分キレながら無言で立ち去る人がいるくらいです。

怖いこと言いますが、日本だから見逃されてるって思っておいた方が良いです。同じ事を欧米で行って、無事だとは保障出来ません。ひどい時には警察を呼ばれたり、パワハラで訴えられたります。事実、カリフォルニアで日本人夫婦が路上でいつも通り言い争いのケンカをしていて、「さっさとこっちの道へ歩け!」と男性が女性の腕を引っ張る形になったのですね。それを目撃したアメリカ人が「暴力事件」と警察に通報し、その男性が警察に連れて行かれたことがあります。

大きな声を出すだけでも「モラハラ」になったりもします。どうぞご注意ください。

しかし、ちょっと考えてみてください。

日々不幸せで疲れきっていたら、そりゃ誰だって爽やかな笑顔をキープ出来なくなりますよね。そりゃそうです、人間には感情がありますから。

だからなんです。

日々、心と身体の健康を維持することに全力を出さなければなりません。「訴えられたら嫌だから」だけが理由ではなく、純粋にHappyに生きた方が絶対に良いに決まってるからです。

その為には心と身体の良い状態、つまり「真の健康」が必要なんです。

そこで、健康維持の為に、1つの手段として臨床心理士によるカウンセリングが選択肢に挙げられるというわけです。

手段はなんだってOKです。家の近所を軽くジョギングするだけでも気分が良くなりますし、川や海を見るだけでも気持ちが安らぎます。大切な家族と美味しいもの食事に出かけたり、家庭で一緒に作っても良しです。大好きな音楽を聴いて自宅内で独りで踊り狂ってくれても構いません。

「人には人の快適」があります。

例えば家族や同僚が、毎朝ストレッチや自己流ヨガをしていて、まだビギナーで慣れていないらちょっとオモシロおかしく見えてしまったとしても、笑ったり邪魔をしてはいけません。Personal spaceを重んじることも互いの心と身体の健康を重んじる1歩です。先ほどの、ストレッチや自己流ヨガの横で一緒にされたらいいですよね。面白い場面を見なくて済みます。

そして、最後に要注意事項があります。

最近、「コーチング」という言葉をよく耳にするようになりました。

臨床心理士によるカウンセリングは、紛れもなく臨床心理士、つまり、そのような勉強と修行を積んできた専門家のことです。一方コーチングは、何の資格もなく、誰でも名乗れます。

有名な大学を卒業したからと言って全ての人が、良い心理士とは限りませんが、その逆が当てはまる時もあります。やはり、基礎学力を積んだ上で多くの経験を通じ感性を研ぎ澄ました心理士にあたりたいですよね。

コーチングは誰でも名乗れます。是非、本当に自分の人生を思ってくれるだけではなく、魂のレベルが高い人を選んで欲しいなと思います。マズローの欲求段階説でいうと一番上の人。

誰かを導く原動力が「こんな私でも頼ってくれる人がいる」という自己固定感の低さであるメンターや、自身の承認欲求である「自分はコーチングで有名になりたい。お金稼ぎがしたい。」よりは、「世界中が愛と平和で包まれるように。」と指導してくれる人が良いに決まっていますよね。当然対価を支払う必要があるでしょうが、そんなべらぼうの高額な場合はちょっと奇しいかもしれません。信頼出来る友人からの紹介などが信用しやすいですよね。

ただ、「紹介もない」、「周囲にそのような友達もいない」、という人は最近、臨床心理士がカウンセリングルームなどを独立開業して運営していますので、どうぞ一度覗いてみられたらと思います。

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