神戸マラソンまであと10日

2019年10月17日付け神戸新聞 神戸マラソン1ヶ月前特集から抜粋

フルマラソン42.195kmと聞いて、「絶対無理。私には走れない、ムリムリ。」とまるで他人事にした声が聞こえて来そうですが、いかがでしょうか?フルマラソン人口19万人と世界一の競技人口を誇るランニング大国アメリカに対し、スポーツブームから日本も少なからずランニング大国へ近づいて来ています。フルマラソンは少し長いな、と思う方にはハーフマラソンやもっと短い距離のマラソン大会も各種用意されていますよ。

日本国内では全人口の9-10%未満がジョギング・ランニングを実施しているとの報告があります。もちろん、週に1回以上実施しているという人口はその約半分に減ってしまいますが、それでも過去20年間で20~30歳代のジョギング・ランニング実施率は特に増えてきています(笹川スポーツ財団調べ)。

と、同時に故障を抱えて整形外科や、スポーツリハビリテーション外来を受診するランナーの数も増えているのが現状です。故障というのは特に、慢性障害を指します。

ほとんど全ての都道府県で開催されるフルマラソン大会のもう一つの魅力はイベントです。マラソン後に楽しむご当地グルメや地ビールイベント、大会前夜祭ではランニンググッズの販売だけでなく最近ではメディカルブースの出展が増えてきています。メディカルブースは特に、ゴッドハンドによるマッサージ屋や、マシーンを使って身体の疲れを取り除くものが多かったです。大会前の練習で既に身体に疲れがたまってしまったランナーには最適かもしれません。

しかし、今回の神戸マラソンは一味違います。大会前イベントの一環として、今回は招聘選手だけになりますが、運動器超音波で膝蓋腱、アキレス腱、足底筋膜のフィジカルチェックイベントを開催します。腱の状態をみるために運動器超音波診断装置は最適です。動的撮影だけでなく血流の評価も出来ますから、静止画でのCTやMRIより詳しく観察出来ます。

過度に繰り返す負荷が腱にかかり続けると腱は慢性的に痛み、画像上に器質的変化が表れてきます。まずは強い炎症所見が出ます。これは元来の治癒プロセスの始まりだったのですが、人は傷んだ腱を自己治癒しようとして血流を増やして対応するのです。しかし、負荷が多すぎた時、もしくは治す力が足りない時に、つまり自然に治り切らないのが慢性腱障害という病態です。超音波を実施すると、石灰化や腱が傷ついている様子が観察出来るというわけです。さらに超音波そのものは無侵襲ですから選手にとっては最適なのです。

マラソンランナーで「骨に異常はないだろうが、痛みが続く!」という悩みを抱えている方は一度、腱に対する運動器超音波検査をお受けになることをお勧めします。

Enjoy safe running!

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