隠すための収納か?使うための収納か?

「整理整頓」、「1日の始まりは掃除から」、「部屋の乱れは心の乱れ」・・・生活を整えるという意味合いの日本語は様々です。

しかし最近、「片付けられない人」という現代語が造られ、世の中を反映しているように思います。この属種には片付けられない程度に大きな差があって、重症ではゴミを自宅内にため込み生活に支障を来す程です。今回ここでは日常生活には問題がなく仕事も頑張っているけど、「収納が下手でなんとなく生き辛い」レベル、つまり軽症〜中等度を対象としています。

NEW YorkTimes誌で世界に影響を与える女性100選に選ばれている「こんまり」こと、近藤麻理恵さんのベストセラー書籍ではこのレベルを対象にして「お片付け法」に焦点をあてています。彼女のmethodは世界中で一大ビジネスを生んでいます。最近ではこんまりmethod習得のための指定されたトレーニングを終了すれば、同methodを使ったお片付けビジネスが出来るという資格まで登場しています。つまり、これほどまでに需要が大きく、片付けられなくて生き辛い人が多いということが示唆されます。

「あれー?!あれどこいった?見つからなーい。」と、いざという時に欲しいものが見つからない経験はないでしょうか?よりによって、急いでいる時などにこの現象がよく発生します。一人でバタバタと慌てているのなら良いのですが、時に「誰か取った?」と他人に責任を求める人もいます。これではちょっと周囲も大変です。

自己管理の1つであるはずのこの「片付け」。物が溢れすぎているのでしょうか。現代病の1つと言っても過言ではないかもしれません。

私が1つ気付いたのは物の多さもさることながら、片付けが下手な人ほど収納とは物を「隠す」や「仕舞い込む」という発想が強く、一方、「すぐに使えるように」が目的の片付けが出来る人は、「見せる(魅せる)収納」が出来ているように見えます。そしてこの違いが人生にも影響している、と。

こんまりmethodが「人生がときめく、」と片付けの書籍に、このような壮大なフレーズを付け話題になっていますが、私は腑に落ちるフレーズだと感じています。物を仕舞い込んで、「あれ?!ない、ない、ないっ。」と毎日慌てて時間もエネルギーも無駄遣いしている人と、欲しい時にさっと物が見つかる人とは、やはり人生のキラキラ度も異なっています。

実際片付け力は、その人の思考力にも影響しています。例えば、人生においてチャンスが来て自分の魅力をアピールしたい時に、「私の魅力はこれです!他にこれも長所です。ある部分は苦手ですが今、成長中です。」と、とっさに自分の長所/短所/成長中、が明瞭に分類出来ていて提言できる人と、「えっと、あのぉ、私は余り賢くはないですが、人からは真面目だと言われます。頑張る気持ちだけは負けません。」くらいしか出てこない人ではやはり人に与える印象が異なります。

頑張りたい気持ちの程度が同じ2人の就職希望者がいれば、雇う側から見たらより頭の中がスッキリ片付いている人が魅力的に映るのは当然の事のように思います。

就職ほど大きなチャンスでなくても、日々は小さなチャンスの連続です。職場で誰かが、「お弁当余ってるけど誰か1ついる?」この時に食い意地とは別で、飛びつけるかどうかです。「今日はお昼の用意がないからありがたく頂いておこう。」イメージとしては、さっと動ける感じです。

例え自分の本当の夢と違った仕事を現在していても、「今は下積みの時期」と悲しい気持ちを「明るい未来の為」という頭の中の棚に入れておけば、気持ちの割り切りが出来ます。そして、本当に自分の理想であるプロジェクト依頼などが来たときに、飛びつける瞬発力の為の余力があります。 

要は今の自分に何が必要で、何が要らないか、を分類しておいてチャンスが来たらさっと動けるかどうかです。なので、頭の中が片付いている人は「とりあえず」で行動したり買い物をすることもないのでスマートな仕事ぷりだったり、無駄に生活用品が過剰にならないのです。

まるで、頭の部屋に長所と短所を別々にいれる棚があって自身の個性も整理整頓されているようなイメージです。頭の中の整理整頓が出来ているので必要な時に適切な棚に行って、必要な情報を取り出せば良いだけということです。

蒸し暑い夏に不要な物一気に断捨離して、大掃除いかがでしょうか?心も頭もお部屋もスッキリ爽快になれば嬉しく思います。

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