ヒップホップHip-Hopと日本人

みなさんは親しい友人からダンスパーティーに誘われても、何の戸惑いもなく参加表明を出来ますか?

日本文部科学省が平成20年に発表した新学習指導要領からは、武道・ダンス教育を義務教育の中で実施するよう中学校保健体育において必修化としました。ダンスは、「創作ダンス」、「フォークダンス」、「現代的なリズムのダンス」で構成され、仲間とのコミュニケーションを豊かにするだけでなく、自己を表現する楽しみや喜びを学ぶものであるから大切だと言っています。みなさん薄々感じるでしょうが、普段ダンスパーティーの習慣が乏しい我々日本人にとって「人前で踊る」というのは至難の業です。それを若い中学生の段階から慣らそうという訳です。

アメリカでは体育授業の一環にダンスというものがあるわけではなく、皆子供のころから遊びでやっているのである程度踊れます。もちろん恥ずかしがり屋の欧米人もたくさん存在しますので、ダンスが得意ではない人もたくさんいます。そういった方々はダンスパーティーには来てもお酒を飲んで会話を楽しまれます。サンフランシスコ市立大学のヒップホップという選択授業に参加したときの事です。20-30名ほどの大学生がバスケットコート1つ分くらいの体育館に集まります。一面鏡張りです。そこにいかにもヒップホッパーらしい装いをした女性体育教師が颯爽と現れました。「授業」なので当然試験が控えていて、実技だけでなく机での講義もあります。試験は生徒達の前で先生がお手本で見せた約16秒ずつに分けた動きを生徒達がコピーし、全員の前で踊ってみせるというものです。現代的な音楽に合わせ日常生活からかけ離れた体幹を妖艶に捻ったり、かっこいいstepを踏んだり、美しく見せる為の「決め顔」までが要素として含まれています。本来楽しいはずのダンスですが、恥じらいを捨てられない日本人留学生には相当難しいように見えました。日本人だけでなく中国や韓国からの留学生も恥ずかしそうに腰を捻りきれません。本人達は至って真面目で一生懸命ですが、どう見てもcoolでおしゃれなヒップホップにはなっていませんでした。まるで器械体操のような動きで、表情は真剣すぎて余裕がありません。 先生は終始「relax、純粋に楽しんで!!」と声をかければかけるほど注意を受けているように感じるのか表情は硬くなる一方です。将来のダンスパーティーに果たして自信満々で加出来るようになるのでしょうか。

アメリカでも特にカリフォルニア州は西海岸の陽気なエリアです。そこに住む住人はカリフォルニアンと呼ばれ老若男女問わずダンスパーティーを楽しむ文化があります。日本国内でよくみかけるけたたましい大きな音のクラブとは全く違います。自宅の家庭用スピーカーで好きな音楽をかけて踊りたい人はお好きにどうぞ、というようなものです。 誰に見られてようが関係無い、自分が踊りたければ踊る。リズム運動から分泌が促進されるセロトニンserotoninは、ストレス発散だけでなく安定した精神状態を作り出す為にも重要とされている脳内ホルモンです。常にカリカリせず気楽に物事を構える姿勢は学びたいところです。日本国内で中学生だけでなく疲れている大人こそ、ダンス練習を取り入れて。

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