守備範囲が広いPM&R

PM&Rと運動器

PM&R(Physical Medicine& Rehabilitation)の医師がもつサブスペシャルティは、脳・脊髄神経医学、小児科、内科、スポーツ医学、救急医療、心理学、オステオパシー、運動器超音波学、解剖学など多岐に渡りこれらを応用して、運動器(MSK;Musculoskelton)に生じる問題を扱います。そもそもMSKとは軟部組織(筋肉、筋膜、靭帯、腱、末梢神経血管)と骨・関節から成る筋骨格系の身体器官を指し、これらのどこにでも発生する問題は全てMSK問題ということです。発生様式から分類すると先天性、後天性の神経麻痺、脳脊髄損傷、運動器外傷、運動器障害(急性・慢性)が挙げられます。日本国内では最初の3つはいわゆるリハビリテーション科の範疇で、外傷性Traumaと障害性Disordersはひとまとめにして整形外科が担当しますよね。しかし、欧米・アジア諸外国のPM&Rが存在する国では外傷以外は全てPM&Rの守備範囲です。

運動器の外傷と障害をしっかり分ける

「骨折や脱臼」などの外傷は多くが手術加療を必要とし、例え実際に手術を提供しなかったとしても治癒が得られるまでSurgical整形外科の担当です。PM&Rは一切外傷に手を出しません。互いに尊重しあった明瞭な境界線が診療間連携の鍵と言えます。ですので、Surgical整形外科医は「整形外傷外科医」や「手術整形外科医」とも呼ばれます。(余談ですが整形外傷外科の平均年収は$462,024です。プロスポーツ選手のように「1億円プレイヤー」も珍しくありません。*)一方、PM&Rの担当であるMSK障害とは急性・慢性ともに特にスポーツ、長時間の肉体労働やデスクワークを通じた繰り返す動作や負荷、そして姿勢の異常が原因となるいわゆる「使い過ぎ」です。中心となる腱障害と腰痛・肩こりなどの筋・筋膜障害は身体的・精神的に人々を悩ませ、慢性疼痛と長期におよぶ治療期間から医療保険側への医療費負担の高騰も引き起こしてきました。そこで、財政難に直面する国ではMSK障害の撲滅を掲げ、PM&Rによる可及的速やかな治癒と医療費浪費の抑制を実現してきたわけです。このようにPM&Rの広い守備範囲は医学の垣根を越えて国の財政にも貢献しています。
*Source: HR Reported data as of January 02, 2018

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